2024 MFJ シリーズ第8戦 野左根航汰 2位表彰台【Astemo Honda Dream SI Racing】
ついに三重県・鈴鹿サーキットで最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権。JSB1000クラスの野左根航汰は、ここまで4位が6回あり、表彰台まであと一歩というレースが続いていただけに、今回の最終戦では、表彰台はもちろん、優勝を目指して戦った。ST1000クラスには、渡辺一馬が復帰を目指していたが、今回は条件がそろわなかったため前戦に引き続き羽田太河と作本輝介がエントリーした。
レースウイークは、木曜日の特別スポーツ走行から始まった。金曜日も同じスケジュールで行われ、両日とも30分のセッションが2本と限られた時間でマシンセットを進めていった。土曜日の公式予選では、うまくヤマハファクトリーの岡本選手をマーク。自己ベストを更新する2分04秒186をマークし3番手。レース2のグリッドを決めるセカンドラップタイムでは4番手となったが、流れは悪くなかった。
土曜日の午後に14周で争われたレース1。野左根は好スタートを切りオープニングラップをトップで戻ってくる。3周目には4番手に下がるが、トップグループにつけ周回を重ねる。しかしレース終盤のスパートについていくことができず、またも4位でゴール。今季7度目の4位だった。とはいえ、終盤までトップグループで走れたことは大きく。さらにセットを進めてレース2に挑んだ。レース2でもスタートを決めた野左根は3番手につけトップグループで周回を重ねる。4周目に4番手に下がると、トップの2台がペースアップ。これについていきたいところだったが、ヤマハファクトリーの中須賀選手が立ちはだかり、なかなか前に出られず、中須賀選手との3位争いとなっていく。そしてレースも終盤に入る11周目に転倒があり、セーフティーカーが介入。トップとの差は一気に縮まることになる。そして残り3周でセーフティーカーが退去し、超スプリントで争われることになる。野左根にとっては一時は遠のいていた優勝のチャンスが訪れる。得意のスタートダッシュから勝利を目指した。レースが再開されると岡本選手、水野選手、中須賀選手に続く4番手で野左根は1コーナーに入っていく。ここで2番手に上がった中須賀選手が転倒し戦線を離脱。S字コーナー進入でDUCATIファクトリーマシンを駆る水野選手をかわし2番手に上がると、NIPPOコーナーで岡本選手をもかわしトップに浮上する。西ストレートから130Rで水野選手がしかけてくるが、クロスラインを取りトップで日立Astemoシケインに入っていく。ここで水野選手がイン側からしかけて来たため無理にブロックせず2番手につける。西コースで速い水野選手に対し、何とか前に出たい野左根だったが、最終ラップのヘアピンで岡本選手にかわされてしまう。すかさず200Rシケインの進入で抜き返すが、水野選手にしかけるには差がついてしまう。背後には岡本選手が迫るが、これを抑え切り2位でチェッカー。最終戦レース2で今季初表彰台を達成した。ST1000クラスの羽田は、予選で右腕が肉離れのような症状が出てしまい力が思うように入れられなくなってしまうが、それでも3番手タイムを記録。作本は、調子が上がらず10番手となっていた。
12周で争われた決勝。ホールショットを奪った羽田は、腕の状態もありペースを抑えるために、積極的に前に出て後続を抑えて混戦にする作戦に出る。レース中盤まで、羽田はイニシアチブを握り、國峰選手、國井選手などとトップグループを形成。しかし、9周目に國井選手がトップに立つと予想通りペースが上がる。力が入らず苦しい状況の中、全力で國井選手についていったが僅差の2位でゴール。シリーズランキング3位となった。作本は、序盤にポジションを上げて行き単独走行となっていたが、レース終盤に、2台にかわされるものの、前で転倒もあり9位でチェッカーフラッグを受けている。