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2022.08.31 MFJ

鈴鹿8耐決勝は、総合17位、SSTクラス3位で無事にチェッカー【TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW】

2022 FIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会
2022年8月4日(木)~7日(日)鈴鹿サーキット
2022 年8月5日(金) 公式計時予選 天候:晴れ/雨
2022年8月6日(土) TOP10トライアル(公式予選2日目) 天候:曇り
2022年8月7日(日) 決勝レース 天候:晴れ

世界耐久選手権シリーズ第3戦となる鈴鹿8時間耐久ロードレースがコロナ禍において、万全の対策を講じ3年ぶりに開催された。
ライダーは星野 知也選手、石塚 健選手、中冨 伸一選手でSST(スーパーストック)クラス2連覇を目指す事となった。第3ライダーに起用された中冨選手はダンロップタイヤを知り尽くしているベテランライダー、
6月の8耐テストで初めてBMW M1000RRに乗ったが問題なく走らせる事ができ、6月の全日本SUGOでケガを負った星野選手は7月のテストから参加した。 8/2-3のウィーク直前テストを含め、タイヤテストやロングランなど様々なメニューをこなしてマシンを仕上げ、公式予選を迎えた。
(実は星野選手は7月のテスト後自身のトレーニングで鎖骨を骨折し、手術をしてレースウィークに入った。万全な体ではなかったが、ウィーク直前のテストも走り何とかレースを走れる状態に持ってきていた。)
メカニックにとって本番レースでのピットワーク作業も3年ぶりとなる。スーパーストッククラスは、タイヤを容易に交換できるシステムを車両に加工する事が出来ないので、市販状態のままタイヤ交換を行わなくてはならない。耐久レースではピット作業を速く、ミスなく完了してマシンをコースに戻す事が重要となる。そのピットワークをスムーズに行う為に開発されたTONE工具を使用し、メカスタッフは何度もタイヤ交換・給油の流れを確認しながらピットワーク練習を繰り返していた。

8月5日(金) 公式計時予選
総合17位(スーパーストッククラス3位) 2‘9.275(平均タイム)
エントリー台数は45台、その中でスーパーストッククラスは13台エントリー、8耐の予選順位を決定する方法は各チームの登録ライダーが公式予選で記録したベストラップタイムのうち、上位2名の平均タイムを算出して順位が決定する。1日目の計時予選では11位以降の順位が決まり、TOP10の順位は翌日に行われるTOP10トライアルで最終的に決定される。
猛暑ではないが湿度が高いコンデイションの中で1回目の予選が始まった。星野選手は2’11.139でクラス5番手、続く石塚選手は2‘08.231と自己ベストタイムをマークしてクラストップ。そして中冨選手はやや遅めにコースインするも雨が降り始め雨足も強くなった為ピットイン、コースが濡れていた為無理をせず、2回目の予選タイムにかける事としてこのセッションを終えた。
ピットウォークを挟んで行われた2回目の予選は不安定な天気となった。星野選手がコースインした時点で少量の降雨があったが見事に午前中のタイムを上回り2’10.318でクラス4位。続く石塚選手の走行では雨がコースの一部で降っていた為、2周目に2’10.129のタイムを出した後走行をやめてピットに戻ってくる。そして2回目の予選タイムかけた中冨選手、早めにタイムを出すべくスリックタイヤでコースインしていくが、コース上は雨が残り厳しい状況であった。2’19.913を出したところで雨が強くなりこれ以上のタイムアップは望めずピットに戻ってくる。予選の各セッションの最速タイムを記録したライダーのタイムから108%以内のタイムを出さなければ決勝に出場する事ができない為、中冨選手はクリアするも、このセッションで17台が予選落ちとなってしまった。天候条件の差があった為救済措置が取られたものの、波乱の予選となった。
これにより上位2人のベストタイム平均は2’09.275となり総合17位、SSTクラス3位で決勝レースを戦う事が決まった。
しかし、レインコンディションとなった夜間走行で星野選手がコース上の川にのり転倒してしまい、
治りかけていた肋骨を再び骨折してしまった。レースでの走行に支障がある事は間違いなく、土曜日と日曜日のフリー走行で様子を見て、チームとして最終的に2人で走らせる可能性も否めなくなった。
8月6日(土) 予選2日目 WEATHER:曇り COURSE:ドライ
午前中の4時間耐久レース後に8耐フリー走行が行われた。まず石塚選手が走行を開始するが、2度の赤旗により満足に走れない状態となり、続く中冨選手も走行開始直後に赤旗が出てピットに戻ってくる。
3番目に星野選手が走る予定であったが時間切れとなりフリー走行は終了した。TOP10トライアルは天候が不安定な事から計時予選に変更して行われ、上位10台の順位も決定した。
決勝レースは45台(SSTクラス13台)でスタートする。

8月7日(日) 決勝レース WEATHER:晴れ COURSE:ドライ
決勝 SSTクラス3位(総合17位) 202LAP 11:30スタート~19:30
星野選手が朝のフリー走行を走った結果、痛みが酷く決勝の走行は不可能と判断、2名のライダーで決勝レースを戦う事を決めた。
<スタート~3スティント>
スタートライダーを初めて務める事になった石塚選手はやや緊張した様子でスタートを待った。
当面は雨の心配はなく全車スリックタイヤでレースはスタートした。
石塚選手は上手くスタートを切りオープニングラップは17位、SSTクラス3位をキープしてホームストレートを通過、2周目のスプーン進入で#17が#73を巻き込む転倒により早くもSC(セーフティーカー)が入る。 SC解除後はEWCクラスに交わされ総合19位となるものの2分11秒代の安定したタイムでクラス2位の
#64 Kawasaki Plaza Racing Teamを追う。23周目にピットイン、前後タイヤ交換と給油を行い中冨選手に交代した。アウトラップでクラス4位となるも31周目には再びクラス3位(総合20位)となる。
しかし32周目に突然マシンのパワーが低下し緊急ピットイン、電気系トラブルが発生した為考えうる対策をしてライダーは中冨選手のまま約6分半のピットストップでコースに復帰した。ポジションはクラス10位(総合36位)にダウンするが、このスティントでクラストップの#806 NCXX RACING with RIDERS CLUBがトラブルで後退、中冨選手はロングスティントでクラス6位まで挽回する。55周目に石塚選手と交代、ピットアウトと同時に#51の転倒によりSCが入った。SC明けの走行で石塚選手はペースを上げ#64、#74 AKENO SPEED YAMAHA、#52 TERAMOTO@J-TRIPRACINGに続くクラス4位となり、まだ2ラップ離されているが3位が狙える位置までたどり着いた。
<4スティント~6スティント>
ライバルチームは3スティントタイヤ交換を引っ張り、ピットストップの時間を短くする作戦を施行したり、燃費がよくピットの回数を少なくできるチームもある。我チームは毎回前後のタイヤ交換と給油を行う為、なかなかその差を縮める事が容易ではない状況となっていた。 78周目に中冨選手に交代、クラス4位
(総合25位)でコースへ復帰し、抜けば1ラップ差となる#52を追走する。101周目にクラス4位(総合21位)で石塚選手に交代、1ラップ差になる寸前まで差を詰めるのだが、そこでピットインのタイミングとなり再び差が開くという状態で126周目に中冨選手と交代した。中冨選手は137周目に#52をパスして1ラップ差と したが、後方にはトラブルで後退していた#806が追い上げてきており気の抜けない状況となった。
<7スティント~9スティント(ゴール)>
レースは残り約2時間、149周目に中冨選手から石塚選手に交代、このスティントも安定した走りで167周目に#60をパスして総合18位、そして171周目には#52を交わして同一周回となりクラス3位(総合17合位)となったのもつかの間、173周目のピットインのタイミングで#52と#806に先行されてしまう。
中冨選手に代わった時点での順位は#64、#74,#52、#806、に続く5位。
178周目に2位を走る#74が転倒した事でSCが入り自動的にクラス4位となる。SC中はコース上に留まりSC明けの185周目にピットイン、給油のみで石塚選手が最後の走行に挑んだ。3位を走るのは#806に交わされた#52、その差は47秒近くあったが石塚選手は怒涛の追い上げを見せて周回毎にその差を縮め、ついに197周に#52をパスしてクラス3位(総合17位)へ浮上、そのままフィニッシュした。
SSTクラス連覇は成しえなかったが、序盤のトラブルがあったのにもかかわらず最終的にクラス3位という成績を得た。2人で8時間を走るのは体力的に大変だったと思うが、チームの要望に応えて両ライダーは常に高いパフォーマンスを見せてくれた。
そして自分が出れない分、2人のライダーを全力で支えた星野選手の存在も大きかった。
又、メカニックスタッフはトラブルに対し冷静に対応し、ピットワークでもそれぞれの仕事を確実にこなしてくれた。
最後になりましたが、チームをサポートしてくれていますスポンサー各社様、応援ありがとうございました。心から御礼を申し上げます。今後とも応援の程宜しくお願い致します。

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