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2022.06.07 SUPER GT

地元鈴鹿での決勝を13 番手からスタート意気上がるメカニック【大勢のモータースポーツファンが詰めかける】

2022 AUTOBACS SUPER GT Round3 たかのこのホテル SUZUKA GT 300km
予選:5月28日(土)
決勝:5月29日(日)鈴鹿サーキット

Rd.3 鈴鹿の決勝日も青空が広がり、前日にも増して気温の上昇が予想される気候となった。場内では熱中症への注意喚起が再三放送されている。
前日の公式練習で得た好感触を決勝に繋げようと、チームはウォームアップ走行でも決勝を見越してのピットシミュレーシ ョンを行って、レースに備えた。
鈴鹿サーキットのスタンドには大勢のモータースポーツファンが詰めかけ、上昇する気温とも相まって、大観衆の熱気がグリッドまで伝わってくるようだ。
グリッドにつく直前、阪口選手が微弱なマシンのふらつきを訴えたため、メカニックが急遽グリッド上でチェックを行う場面もあったが、特に重大な問題は見つからずいよいよ決勝の時を迎えた。

第3 戦鈴鹿決勝は、ウォームアップ走行の際起きたアクシデントの影響で、開始が10 分遅れとなり、14 時40 分に2 周のフォーメーションラップの後始まった。気温30 度、路面温度50 度と真夏を思わせるコンディションの中で、2Lap 目からいきなりFCY が導入され、過酷なレース展開を予感させる。
Arnage Racing は、第1 スティントを担当する阪口選手が、13 番手という好グリッドからレースをスタート。マシンのバランスはこれまでになく良好で、阪口選手は2 分02 秒台でプッシュを続け、前方のライバルマシンを脅かす勢いを見せる。コ ース上ではマシントラブルによるクラッシュや、タイヤをバーストさせるアクシデントが続き、阪口選手は10Lap 目にポジションアップ、さらに14Lap 目には目前の2 号車を抜き去り11 番手に躍り出た。
その頃になるとルーティンピットをこなすチームも出始めたため、さらに見かけ上の順位は上がって、8 番手にまで浮上、阪口選手は、上位チームのペースに引けを取らない非常に良いペースで、17Lap 目にベストラップとなる2’01.932 をマークするなど順調にレースを続けていた。
ところが18Lap 目、潮目が変わり始める。
阪口選手から、バックモニターのカメラを留めるステイが、リアウイングから折れてしまったらしいと無線が入った。さらにその次のLap でリア周りの異変が報告される。ピックアップの可能性も考えられることから、チームは阪口選手をコースに留めて走行を続けさせた。しかし、タイミングモニターの数字は数周前までの好ペースから、明らかにペースダウンしていることを示している。
チームは当初、ドライバー交代のタイミングを阪口選手のMAX 周回数となる34 周に見定めていた。しかし、阪口選手のコメントから、そこまでスティントを引っ張ることはとても無理だと判断したチームは、予定より10Lap 早い24Lap で阪口選手をピットに呼び戻した。
メカニックが急いでタイヤを確認すると、リアタイヤはブローアウトするまでに至っている。マザーシャシーのお家芸であるタイヤ無交換作戦でピット時間を大幅に短縮することも想定に入れていたArnage Racing だったが、チームはやむ無くリアタイヤ2輪を交換、給油とドライバー交代も済ませて、第2 スティントの山下選手をコースに送り出した。
10 番手でコースに復帰した山下選手だったが、阪口選手のスティント後半で、バックカメラを喪失してしまったために、バ ックモニターが映らなくなっており、チームは無線で山下選手をサポートしていた。
しかし、28Lap 目、更なる不運がチームを襲う。ヘアピン付近で山下選手と10 号車の富田選手が接触、山下選手はスピンを喫してコース上に止まってしまった。山下選手は安全を確認してレースに復帰したが、接触の影響か「タイヤがおかしい」と訴えたため、チームは念のため山下選手を再度ピットに呼び戻してタイヤを4輪とも交換、29Lap で山下選手がコース戻 った時には、ポジションは24 番手にまで脱落して勝負権は遠ざかってしまった。
その後もレースは、34 周目にFCY からSC が導入されるなど、大荒れの展開を呈し続けた。山下選手は諦めずにプッシュを続けて過酷なレースを走り切り、21 位でチェッカーを受けることができた。
結局、Arnage Racing は鈴鹿ラウンドでも1Lap 遅れの完走ポイント3 を獲得することはできず、チームポイントは2 ポイントにとどまった。
しかし、これまで見いだすことのできなかったセットアップの方向性を捕まえたことは大きな収穫であり、チームは2 ヶ月後に開催予定の450km レースに向けての光明を見出すことができた。

次戦Rd.4 Fuji 450kmは8月6日~7日富士スピードウェイにて開催されます。  
引き続き応援を頂けますようお願い申し上げます 。

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