MOTOR SPORTS info

2023.02.02 SUPER GT

SUPER GTシリーズ全8戦のダイジェストレポート【SARD RACING】

今季は、脇阪寿一監督のもと、2021年チャンピオンの関口雄飛選手を招聘し、中山雄一と新コンビで戦いました。今季戦い振りはTV放映など各メディアでクローズアップされ、レース決勝では追い上げて上位を走行する場面も多く、第5戦鈴鹿では3位表彰台を獲得いたしました。あと一歩のところで優勝を逃すシーンもあり、来季への期待の高まるシーズンとなりましたことは、皆様の日頃から熱いご声援ご支援の賜物と心より感謝申し上げます。コロナ禍で入場制限もあり厳しい状況でございましたが、最終戦は若干テスト的に緩和され元の賑わいを取り戻してきた感がございました。来季はカーボンニュートラル燃料を使用するなど持続可能な環境対応への取り組みも進めて参ります。

第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」(4/16-17)

・公式予選 2位 ・決勝結果 8位

Q1で関口が4位、Q2で中山が殊勲の2位に。決勝は、アグレ ッシブにトップ奪うチャンスを狙っていたが、300クラスに行く手を阻まれ3位に後退。31周目にトップ14号車と同時ピットインを敢行して勝負を仕掛け、見事2位にバウンスバック。トップと15秒差も12秒差までに縮めて見せた。だが交代した中山がタイヤ表面に大きなタイヤカスが付いてペースが上がらない隙に2台にかわされる。ポジションを落とすもトップ差11秒の4位を走行し挽回を狙っていた終盤に、クルマに何らかの不具合が発生しペースダウンを余儀なくされてしまう。結果、不具合により悔しい8位フィニッシュとなった。

第2戦「FUJI GT 450km RACE」(5/3-4)

・公式予選 14位・決勝結果 13位

予選は、Q1で中山が前に追いついてしまい14位に。決勝は、スタート直後にポジションを2つ上げ、12位で前走車に連なりチ ャンスを窺う走り。1回目ピットインを最後まで引っ張る戦略を取り、43周目にアクシデント発生と同時にピットイン。直後にFCY宣言からのSC導入となり素早いピットワークも相まって3位へジャンプアップ。その後、50周を終え赤旗で一旦中断。SC解除後の53周目1コーナーでトップ2台が絡むと関口が1位を奪取した。ここから上位3台による熾烈なバトルが展開。59周目のストレートにて先頭争いの攻防の中で2位の車両が激しくクラッシュ。ここで再び赤旗中断となり、最終的にSC先頭によるチェッカー。トップフィニッシュしたものの赤旗中断時にドライバーが車両に触れたため、ペナルティ40秒加算により13位となった。

第3戦「SUZUKA GT 300km RACE」(5/28-29)



・公式予選 6位・決勝結果 4位



予選はQ1で関口が2位、Q2で中山が6位に。決勝はスタート担当の関口が序盤に波乱の展開の中でステディな走りでトップ10秒差以内をキープする走り。今回1回目ピットインを引っ張る戦略で他車がピットインを始めコースが空いた状況となると猛プッシュをかけ前とのギャップを削っていった関口。27周目にピットインをすると素早いピットワークも相まって2位で中山をコースへ送り出すことに成功。FCY宣言中でタイヤがすぐに温まらずFCY解除後に4位となるが、その後は中山がペース良く周回を重ね、終盤には表彰台を狙ってペースアップ。最終ラップで3位にあと僅か0.048秒差まで迫ったところで惜しくもチェッカー。今後につながる価値ある収穫の多い4位フィニッシュとなった。



第4戦「FUJI GT 100Lap RACE」(8/6-7)



・公式予選 12位・決勝結果 6位



公式予選Q1で関口が12位に。決勝は関口が様々な戦略プランのための冷静な走り。36周目には暫定6位に。1回目ピットインを引っ張る戦略で燃費を稼ぐ関口は戦略の幅を大きく拡げるクレバーな走行を続けた。42周目にピットインをすると8位で中山が戦列復帰。2回目のピットインは、更に上位を狙うべく、タイヤ無交換と中山の連続走行という大胆なレース戦略を敢行。5位のポジションで中山がピットアウト。81周目、一旦抜かれたが5位を奪い返す中山であったが、レースディレクターから順位を戻すよう判定があり6位に戻る。レース終盤は一進一退の展開となったが、中山は6位を守り抜いてチェッカーとなった。



第5戦「SUZUKA GT 450km RACE」(8/27-28)



・公式予選 7位・決勝結果 3位



公式予選Q1で関口が8位、Q2で中山が7位に。決勝は関口が燃費を稼ぎながらペース良く周回を重ね様々な戦略プランの可能性を高めるクレバーな走り。他車がピットインを始めコース上が空くと関口はプッシュしてオーバーカット戦略を遂行。33周目にピ ットインをすると11位で中山が戦列復帰。タイヤをマネージメントして安定したペースで中山は周回を積み重ね、2回目のピットは、49周目SC導入前に中山がピットに滑り込むことに成功。給油作業のみのスプラッシュアンドゴーで素早くピットアウトすると実質2位のポジションで戦列に復帰。レース展開は先が読めない戦況が続く中でフロント開口部に芝が詰まるトラブルが襲う。後続に迫られながらも、しっかりとクルマとタイヤをマネージメントをした中山は3位でフィニッシュ。待望の今季初表彰台を獲得した。

第6戦「SUGO GT 300km RACE」(9/11-12)



・公式予選 6位・決勝結果 6位



公式予選Q1で関口が4位、Q2で中山6位に。決勝は降格車両があり5番グリッドからスタート。1周目からSCが導入される波乱の中、関口が前走車との間合いを見ながらチャンスを狙う走り。雨が急に激しくなった14周目に真っ先にウェットタイヤ交換のため緊急ピットイン。戦列復帰後の20周目には2位のポジションに。戦略の違うステイアウトやペースの速い車両など混沌とした戦況の中、35周を終えて5位で中山と交代。9位で復帰しウェットタイヤが温まると中山はトップペースで快走。戦略の違いから目まぐるしく順位が変わる中、52周目に3位となったところでドライタイヤ交換のため3回目のピットイン。難しい路面状況で先が読めない戦いが続く中、ペースアップをしていく中山。レースが安定し始めた終盤には6位をキープ。後続を引き離しながら最後まで諦めずに前を追いかけ、雨に翻弄された混乱のレースで次に望みをつなぐ6位でフィニッシュとなった。



第7戦「AUTOPOLIS GT 300km RACE」(10/1-2)



・公式予選 12位・決勝結果 10位



公式予選Q1で関口が12位に。決勝は降格車両があり11番グリッドからスタート担当の関口が巧みな位置取りからオープニングラップで2つ順位を上げる勢いを見せた。その後、ペースが上がらない苦しい状況に陥るも関口が9位のポジションをキープ。ピットタイミングを後にずらして他車とのギャップを埋めようとオーバーカット戦略を試みた。暫定1位で最後のプッシュを行い40周を終え満を持してピットイン。素早くピットワークを終え、11位で戻った中山はアウトラップでペースが上がらずも、その後は好ペ ースで前とのギャップを削っていく。途中FCYなどもあり上位を追い詰めるには残り周回数が少なく、前走車に約1秒と迫った65周でチェッカー。最終的には10位に滑り込みポイントを獲得したがランキング8位に後退。ドライバーポイントリーダー(3号車)とは25点差となってしまい、残念ながら最終戦でのタイトル挑戦権を失う結果となった。



第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」(11/5-6)



・公式予選 12位・決勝結果 DNF ドライバーランキング 8位、チームランキング 8位



予選は、Q1で関口が12位に。決勝は、スタート担当の中山がオープニングラップから接触が多発し荒れた中で虎視眈々とチャンスを狙い、300クラスのラップダウンが始まった8周目あたりから300クラスをうまく使いながら、前走車との間合いを詰めてポイント圏内の10位争いをしていた9周目、3コーナー立ち上がりにて集団前方のGT500クラスとGT300クラスの接触事故を起因とするマルチクラッシュに巻き込まれる不運に遇いラジエターに損傷を受け、悔しいリタイアを喫した。今シーズンは決勝でチャンスを活かして巻き返す底力を見せた。決勝での強さをしっかりとレース結果に結びつけるべく、まだまだ山積みの課題を1つ1つクリアして、来シーズンは更にレベルの高い戦いができると信じて前進していくのみと決意を新にした今シーズンの最終戦となった。

関連記事