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2022.11.30 SUPER GT

決勝:12位【muta Racing】

2022年SUPER GTシリーズ第8戦(最終戦)
11月5日~11月8日 モビリティリゾートもてぎ

2022年SUPER GTシリーズ第8戦(最終戦)は秋深まるモビリティリゾートもてぎにおいて300kmレースとして開催。11月5日に公式予選が行われた。最終戦は、これまでの7戦全戦に出走した車両のサクセスウェイトがすべてなくなり、マシン本来が持つ性能でガチンコの勝負が行われる。だが、FIA GT3車両の方がもてぎのコースに合っており、JAF GT車両としては苦戦が予想された。

予選:11位

茨城県との県境に近い栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎの周辺里山は、木々の葉が赤や黄色に色づき秋が深まりつつある。搬入日の4日は天候も良かったが、14時を過ぎて日が傾き始めると次第に気温は下がった。予選日の朝も気温は10℃を切り寒い一日のスタートとなった。また雲も多く朝の公式練習はようやく気温が10℃を上回った9時35分に始まった。
持ち込みのセッティングで走り始めたものの、加藤寛規、堤優威の両ドライバーともフィーリングが良くなく、またオートポリス戦後にもてぎで行われたタイヤテストで選択したタイヤのマッチングがいまひとつで、ベストタイムはトップタイムから1秒280差の11番手にとどまった。この後FCY(フルコースイエロー)のテストも行われたが、その終了後にセッティングやスプリングを大幅に変更することにした。
公式予選Q1は晴れ/ドライ、気温16℃、路面温度27℃というコンディションの14時20分に始まった。27台がエントリーしたGT300クラスは、第7戦終了時点のチームランキングにより14台のA組と13台のB組に分けられたが、muta Racing GR86 GTはB組に区分。この中でトップ8に入りQ2進出を目指すことになった。Q1は堤が担当し、計測4周目に1分46秒672で4番手につけたが、その後このタイムを上回る車両があり7番手へ。堤は次の周に1分46秒248へタイムアップしたが7番手という順位は変わらず。しかし6番手の車両のベストタイムが走路外走行のために抹消となり、順位をひとつ上げた6位で無事Q1を突破した。
Q2は加藤がコースイン。開始5分が経過し加藤がアタックに入ろうとしていた最終コーナー先でスピン&クラッシュした車両があり、セッションは赤旗が掲出されてストップ。12分後に残り5分で再開されたが、待機している間にタイヤは冷え、また5分という短い時間で、5周目に1分48秒065で7番手。しかしそれよりも速いタイムをマークする車両があり順位が落ちて行ったが、加藤は次の周で1分47秒081にタイムアップして11番グリッドを確定させた。
明日の63周の決勝は14時にスタート予定。今シーズンの集大成のレースとするべく、ひとつでも上の順位でゴールを目指す。

2022年SUPER GTシリーズ第8戦(最終戦)の決勝レースは、 11月6日にモビリティリゾートもてぎにおいて300kmレースとして開催。前日に続き好天に恵まれ、朝早くから2万6,000人のファンがサーキットに詰めかけ、ゲート周辺が渋滞した。ウォームアップ走行の前には航空自衛隊松島基地のF-2B戦闘機が2機、サーキット上空をウェルカムフライトして会場を盛り上げた。

決勝日は11時40分から20分間のウォームアップ走行が行われ、堤から加藤に交代し車両の動きを確認。このセッションはトップから1秒363差の11番手だった。
気温16℃、路面温度27℃というコンディションの13時。栃木県警の白バイとパトカーの先導で300kmの決勝レースのパレードラップがスタートした。そして13時7分にグリーンランプが点灯してバトルがスタート。ステアリングを握ったのは堤で、オープニングラップで1台をかわして10番手へ。次の周でFIA GT3マシンである9号車フェラーリにかわされて順位を戻したが、これを追いかけて周回を続けた。
9周目の3コーナー、堤の後方で多重クラッシュがありすぐさまFCYとなったが、アクシデントに遭った車両から液体が漏れており、この処理のためにセーフティカー(SC)導入となった。さらに14周目のストレートで追突事故があり2台が大破。このためSCランは30分近く続き、この間燃料補給やタイヤ交換を行うチームもあった。
20周完了の13時58分にレースはリスタート。GT300クラスはレース距離の1/3を経過しておりピットインをする車両も出始め、上位陣がピットインするたびに堤は順位を上げ、25周目には4番手、26周目には3番手、35周目には2番手へ順位を上げ、37周でトップの9号車フェラーリと同時にピットイン。ここで加藤に交代した。
今回のレースではドライバー交代時にタイヤ4本交換が義務付けられており、タイヤ無交換作戦は採れなかったが、メカニックの迅速な作業もあり暫定12位でコースに戻ることができた。しかし満タン時のペースが鈍く、またFIA GT3車両の集団の中に戻ったこともあり、苦しいレースに。さらに8位争いのグループで10番手を走行しバトルをしている時に、タイヤがコースに落ちたタイヤかすを拾ってしまうピックアップの状態となり思うようにペースが上げられず。終盤は順位をふたつ落としたものの無事12位でチェッカーを受け、今季の最終戦を終えた。
新車両で臨んだ今シーズンは試行錯誤が続いたが、その中で得られたものを活かしもっと強いチームになって帰ってきたい。

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