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2023.09.29 DRIFT

D1GP Rd5&Rd6 EBISU 【下田紗弥加】

チーム:Mercury 車楽人 VALINO
マシン:TAKUMI MERCURY サヤカSPL S15日時:2023年8月26日(Rd5)、27日(Rd6)於:EBISUサーキット(福島県)
リザルト:Rd5 単走15位、追走ベスト16
Rd6 単走20位、予選敗退

<第5ラウンド>いよいよ開幕>
<第5ラウンド>
8月26日(土)
いよいよ開幕です。
エビスに入ってから4日目となりますが、ここまでドライバーが満足出来るほど走れていないのが事実です。
朝の10分間のチェックラン(約2~3周)が、マシンチェック、コースコンディションの把握、コースの攻略を出来る最後のチャンスになります。
いよいよ本番前の最後の走行が始まります。
ピットに戻って来る時間が無い為、マシンデーターをリモートで確認出来る様にPCをセットします。
そしてコースイン。
しかし状況は変わらず、全開で走らせるには程遠い状態です。
結局、本番前の唯一のチェックランも全開走行出来ずに終了してしまいました。
唯一の救いは、この日はD1Lightsと併催のため、本番まで約3時間ほどあることです。この時間で必ずトラブルの原因を突き止めようと、
メカニックも必死になります。急いでマシンをピットに入れ、作業を開始します。

燃圧が足りないと言う事は、燃料タンクからエンジンまでの間しか考えられません。どんな些細な事でも見逃さないようチェックをします。 燃料関係の部品はほぼ新品に交換済です。もちろん新品部品自体の疑いもありますが、どの部品を交換しても変化がないので、何か気が付かない箇所に原因があるはずです。
1つ1つチェックしていきました。そして一度パッキンを交換した燃料レギュレーターをバラシ、何気なく可動部分を触ってみると、一定の場所から動きが悪くなることが判明!原因は外から締め付けるボルトの頭が微かに可動部分と干渉しており、可動域が制限されていたのでした。
タイヤを浮かした状態で全開チェックしてみると、燃圧の問題は解消されておりました。この少しの原因を発見するのに丸2日間掛かってしまい、ドライバーに満足させられる走行時間を確保出来なかったのは非常に残念でしたが、ドライバー下田紗弥加は前向きにとらえ、「これで気にせず全開で走らせる事が出来る!ありがとう!」と、メカニックに感謝の言葉を掛けます。
実際にはドライバーの心境は、慣れていないこの難コースで、ほぼ練習できずに本番を迎えなければならず、かなりのプレッシャーがあったはずです。

<本番単走1本目>
我々のマシンは、他のマシンと比べ、軽量でメカニカルグリップが高いことが特徴です。
(レギュレーションでは、ドライバーを含め1275kg以上は285サイズのタイヤを履けますが、我々のマシンは1175kgなので、265サイズしか履くことが出来ません)
通常より少しエアー圧を上げ、ショックの減衰を柔らかくし、多少グリップ力を下げコントロール重視のセッティングを施します。
走行の順番は40台中約26番目。
練習走行はトラブルも抱えていたこともあり、96.5点が最高点でしたが(公式練習から審査の機械DOSSを取り付け点数を確認することが出来ます)、ここまでの他の選手の得点を見ると97点台に入らないと、ベスト16に残れそうにありません。
どこのセクター(5つのセクターに分かれる)で、どの様な箇所で点数を失っているか、またどの様な走りがベストで、今現在出来る部分と出来ない部分の分析は出来ているので、あとは実際の走りでどこまで出せるかがポイントとなります。
シグナルブラックアウトでスタートをし、全開加速、1速2速3速4速までシフトアップ、(現在のD1マシンは非常にハイパワーで、短い直線で150kmまで加速をします。)フェイントから1コーナーへ飛び込みます。

<本番単走2本目>
点数が伸びていないのは、1コーナーの飛び込みと、2コーナーまでの角度になるので、振り出しを3m奥にすることをスポッターが指示を出します。
1本目より振り出しを奥にした為、最高速も149㎞まで延び、また飛び込みの角度も付いて進入してきます。あきらかに1本目より良い走りです。しかし、最後の鬼門と呼ばれる5セクターで、少しマージンを取った走りとなってしまいまい、点数を落とします。
結果は「96.3点」 結果1本目の得点で走行後の順位が13位。
ほぼぶっつけ本番と言う状況で、ドライバーが非常に良い仕事をしてくれました。
残りの14名の選手が走行し、最終結果は15位で単走予選通過となり、順位的には満足出来ませんが、まずは第一関門を突破する事が出来ました。
まずは様子を見るため多少抑え、1コーナーの進入も少し手前から振り出します。時速143㎞。その後は安定しポイントを取り、点数は
「97.0点」となります。

<追走>
1回戦目は、単走2位通過のGR86を駆るベテラン村上選手が対戦相手で、後追いからのスタートになります。
対戦相手の分析をしますと、練習走行から安定して97点以上の得点を出し、走りも安定しています。
しかもハイパワーで車重もある事から、手前から振り出しをする傾向にあります。
対策としましては、後追い時、先行車輛の振り出しにつられて同時に振り出すと、2コーナーまで届かなくなる為、先行車輛が振り出したことを確認し、自分の距離でしっかりと振り出すこと。その時にフェイントを多く入れると、離される可能性が高いので、最小限のフェイントに留める。
さらに村上選手は、ミスも少ないので思いっきり遠慮せずに懐に飛び込めること。
先行時は、我々のマシンは振り出しが奥でも、しっかりと短い距離で減速してくれるため、しっかりと奥振りをすること。
あとは、後方車両を気にせず単走の走りをすること。といった作戦になります。
<後追い>
スタートで引き離されず、振り出しも先行車輛に惑わされることなく、自分の位置で振り出しをしますが、コーナーに入ってからの村上選手のマシンは速く、懐に入ることが出来ず後追いポイントは 0.5ポイントとなり、DOSS得点は95点。 合計95.5点。 村上選手97.0点。
1.5点負けており、勝つためには先行でミスなく走り、残念ながら相手のミスを待つしかありません。

<先行>
作戦通り、奥振りをし、村上選手は通常の自分の振り出しより奥なため、2コーナーに掛け膨らみ、コースアウトしそうになりますが、ベテランの意地で何とか持ちこたえます。
その後、5セクターで若干のコースアウト減点なども取られ、DOSS点96.0点 に 2.0点の減点が入り、94.0点に対し、村上選手DOSS点94.0点に後追いポイント8.0点が加算され102点と言う結果で、総合計9.5点差で、1回戦敗退となってしまいました。

<第6ラウンド>
8月27日
マシンの調子も良くなり、2日連続で追走進出はもちろんの事、追走で勝ち上がる事を目標に対策を取ります。
やはり上位16台に入る選手は、歴戦の猛者であり、その選手を相手に追走で勝ち上がる為には、今よりひとつ上の車速が必要になる事を
昨日の戦いから身を持って体感し、今回は単走からリアのグリップを上げ挑戦しました。
<単走1本目>
24番目の走行となります。
リアのグリップを上げたことにより、車速も149kmまで上がっており、グリップが上がり止まる様になった事と、車速が上がった分だけドリフト時の距離が長くなるこの二つのバランスを上手にコントロールしなければなりません。
全体的にはまとまり、やはり鬼門と言われる5セクターの得点は伸びないものの、97.1点と昨日より点数は伸ばしてきましたが、
残り約15台を残して13位。このままだと単走予選突破は少々難しい点数です。
<単走2本目>
1コーナーを3メートル奥から振り出すこと、5セクターの得点(特にドリフトアングル)を上げる事を頭に入れスタートします。
結局5セクターで、角度を意識し過ぎたせいか、ハーフスピン状態となり得点を伸ばすことが出来ませんでした。
この後に走行した選手も得点を上げ、結果単走順位20位でベスト16には駒を進める事が出来ませんでした。

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